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情報処理安全確保支援士になれなかった情報セキュリティアドミニストレータ合格者です。

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経済産業省から情報処理安全確保支援士のニュースリリースがありました。先日までIPAのホームページには当初案が掲載されていて情報セキュリティアドミニストレータ試験の合格者も支援士資格の経過措置対象者として含まれていました。自分は情報セキュリティアドミニストレータ試験の合格者なので期待していました。自分と同様に勝手に持ち上げられてドーンと突き落とされた感じがしている人も多いのではないでしょうか。

情報処理安全確保支援士について

経済産業省ニュースリリースから抜粋

2.情報処理安全確保支援士とは
情報処理安全確保支援士とは、サイバーセキュリティに関する知識・技能を活用して企業や組織における安全な情報システムの企画・設計・開発・運用を支援し、また、サイバーセキュリティ対策の調査・分析・評価を行い、その結果に基づき必要な指導・助言を行う者です。サイバーセキュリティの確保に取り組む政府機関、重要インフラ事業者、重要な情報保有する企業等のユーザー側及びこれら組織に専門的・技術的なサービスを提供するセキュリティ関連企業等のいわゆるベンダー側の双方において活躍が期待されます。

3.情報処理安全確保支援士となるには
独立行政法人情報処理推進機構(以下「IPA」)が実施する情報処理安全確保支援士試験に合格し、登録をした者が情報処理安全確保支援士と名乗ることができます。なお、制度開始から 2 年間に限り、情報セキュリティスペシャリスト試験又はテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験に合格された方も登録を受けられます。また、情報処理安全確保支援士には、継続的にサイバーセキュリティに関する最新の知識・技能を維持等していただくため、IPAが経済産業大臣の認可を受けて実施する講習を毎年受講することが義務付けられます。

情報セキュリティアドミニストレータが経過措置対象外になった理由を知りたい。

情報処理安全確保支援士試験のベースとなる情報セキュリティスペシャリスト試験は、平成21年度から実施されています。前身の試験である情報セキュリティアドミニストレータとテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)の2つの試験区分が情報セキュリティスペシャリストに統合された経緯があります。そのため3つの資格とも同等レベルと思っていました。
情報セキュリティアドミニストレータ試験に合格していたために、テクニカル(情報セキュリティ)や情報セキュリティスペシャリストの試験を受験しようと考えたこともありませんでした。同じような人も少なくないと思います。この辺りはIPAの試験区分構成のあいまいさ、計画性の無さ以外のなにものでもないと思います。今回セキュアドが対象外になった理由はぜひとも知りたいところです。

人数で足切りされた?

各試験の過去の合格者数をIPAのホームページで調べてみました。

試験区分 合格者累計
情報セキュリティスペシャリスト 21,688
テクニカル(情報セキュリティ) 4,904
情報セキュリティアドミニストレータ 24,796

情報処理安全確保支援士の登録目標人数は、「2020年度までに3万人」とあります。あくまで単純な計算ですが、情報セキュリティスペシャリストとテクニカル(情報セキュリティ)の合計で26,592人います。これに情報セキュリティアドミニストレータを加えると51,388人になります。また、今後情報処理安全確保支援士試験に合格する人もいるので2020年までには軽く3万人をオーバーしてしまう人数になります。そのため、単なる足切りのための線引きのようにも思えます。3万人という数字の根拠も良くわかりません。

情報処理技術者試験は仕事に直結しにくい資格

情報処理技術者試験は合格しても仕事や収入には響かないです。受験すらしていない人や試験に合格していない人でも十分な高度専門スキルがありバリバリ仕事をこなす人も多いです。試験に合格しているからという理由で仕事が優先的に回ってくるわけでもありません。高度情報処理技術者試験に合格していて現場仕事ができない人もいます。そんな人は陰口を言われる材料になったりもしています。情報処理試験に合格していなければできない仕事などはありません。それがIT業界の仕事と試験の関係だと思います。IT業界は変化のスピードが早いため、試験を基準にできる仕事の範囲が決められてしまうと立ち行かなくなります。

試験の意味

情報処理試験の合格が昇格の前提になっているSI会社は多いのかもしれません。特に社員数が大いIT系の会社では単純に篩いにかけるツールとして使われているようにも思います。そのため仕方がなく受験している人も多いのではないでしょうか?
高度資格に合格するためには最低でも60時間以上の勉強時間は必要と思います。2か月間毎日1時間ぐらいの目安になります。昇格基準になっているサラリーマンなどは意味があるかもしれませんが、それ以外の人には仕事に直結する訳でもないので無駄な時間ということになると思います。

最後に

来年から情報処理安全確保支援士の試験がはじまります。今のところ受験しようとは思っていません。新しい試験区分は受験者が多くなるし、情報処理安全確保支援士の役割や仕事が具体的に見えないためメリットがわからないためです。
自分にとっては良いとこナシの情報処理試験ですが、今回は新しい国家資格が1万円払えば手に入れられるかもと期待してしまっただけにぬか喜び感が大きいです。そんなに甘くはありませんでした(笑)